はじめに
「こがねちゃん」は八雲神社で考案した焼き芋器で調理した焼き芋です。この焼き芋器は、昔からある「壺焼き芋」の原理を利用して、汎用性を向上させた特製釜です。
壺焼き芋はじっくりと加熱することで果肉も皮もおいしく頂くことが出来ます。
販売
販売は、八雲神社となりの「小金屋商店」にお願いしております。焼きたての焼き芋もおいしいのですが、冷やした状態での販売です。一度甘く調理した焼き芋は、その後、冷ましても甘く、購入後に自宅で加熱しても甘さを堪能できます。また、冷凍保存が出来ます。冷凍状態からレンジや自然解凍で柔らかくしてお召し上がり下さい。
店頭販売 500円/パック(300g入) 常温・冷凍共
販売は八雲神社となりの「小金屋商店」(電話0285-63-0168)
確実にお求めのかたは、御予約でお取り置きいたします。
宅配 2000円/箱(冷凍300g入×4パック) 送料別
八雲神社にてお取り扱いいたします。(電話0285-63-0479)
甘さの秘訣
色々ないきさつで焼き芋を作る事になりました。知れば知るほど薩摩芋の特製を生かし、甘さを追求してみたくなりました。
甘さの秘訣は「芋の出来、保存熟成、加熱」にあることが分かりました。
○芋の出来
近年の焼き芋ブームは品種改良による「糖質が高い薩摩芋の開発」によるものです。以前は「紅あずま」に代表される、デンプン質が多い粉質のホクホク芋が主流でしたが、平成20年頃に開発された「紅はるか」「安納芋」などのネットリ芋が人気を呼びます。
薩摩芋は比較的簡単に作れますが、土や気候を選びます。黒土の肥沃な土質ではおいしい薩摩芋は育ちづらく、痩せた水はけのよい土が適して、日差しが強い場所が良いようです。私がお借りした畑はたまたまその条件を満たしていて、それなりにおいしく「紅はるか」を栽培できています。近所では土に栄養がありすぎて薩摩芋が育たない場所もあるようです。
焼き芋は調味料を一切使わないので素材の味で差が出ます。焼き芋に適したお芋を選ぶ必要があります。
○保存熟成
千葉県の実験によると、薩摩芋は保存によりデンプンが糖化します。大きさにもよりますが、完熟に要する期間は2~3ヶ月。デンプン質が好きな方は収穫したてが良いようです。甘みが好きな方は年明けや春先の薩摩芋がお勧めです。10℃以下になると保存が出来なくなるため、農家は早めに売りたいところです。
八雲神社所有の洞窟は年間を通して12℃程度です。貯蔵に大変適しています。建物や空調設備も不要です。
現在は「こがねちゃん」用の薩摩芋以外にも、年明けにつくる乾燥芋や販売用の貯蔵に洞窟を利用されている農家さんもいらっしゃいます。
○加熱
薩摩芋のデンプンは、85℃程度の温度で加熱されることで麦芽糖に変化します。均一に火が通るように時々芋を転がしながら加熱に要する時間は90分程度。火加減でそれ以上罹ることもあります。水分も蒸発し重量は3割程度軽くなります。そのため甘みと風味が凝縮されます。
上手に焼けると芋の果肉が柔らかくなり、芋の中に蒸気が満たされて、皮が膨れ、さわるとフワフワの手触りになります。冷やすことで蒸気がなくなりますが、その代わり果肉と皮が分離します。さわったときに柔らかいのは味が凝縮している証拠です。